1本の糸からアクセサリーをつむぐ、私たちの「技術」
世界的にも類をみない刺繡技法で作られたトリプル・オゥのアクセサリー。
私たちが作る「糸のアクセサリー」は、たった1本の糸から、何人もの職人の手を通って生まれます。デザインや素材を決めてから、実際にお客様のもとへ届くまで。トリプル・オゥのアクセサリーが辿る道をご紹介します。
発想・素材選定・デザイン
アクセサリーが生まれる瞬間
トリプル・オゥのアクセサリーを作る上で、決まっているのは「糸から作られている」ということだけ。
その生まれ方は商品によってさまざまで、デザインが先に決まる場合もあれば、素材が先に生まれることもあります。
「どんな喜びを届けたいか」を考え抜く
「今度は、こんなアクセサリーを作ってはどうだろう?」
「次はこうしたら、お客様が喜んでくれるのでは?」
そんなひらめきや発想から、より目的に近づける方法を考えるため、決まったルートがないのです。この時点で、スケッチでデザインしたものを紙や生地でシミュレーションして、身につけてみたときの印象を見ることもあります。
届けたい相手や価値によって、近道は変わる。「どんな喜びを届けたいか」を考え抜くのが、この最初の工程です。
プログラム作成
アイデアから設計図へ
紙の上で生まれた発想が、形になるための第一歩。まずはパソコンで、ミシンの動きをプログラムしていきます。
カーブする部分は針をどう動かすか、切れやすい素材をどのように扱うか、アクセサリーとしての強度を持たせる刺繍の仕方はあるか……。ミシンや素材の特徴に合わせて、少しずつ調整していく細かい作業です。
同じ商品のプログラムでも、素材を変えるとできあがりが変わってくるのが難しいところ。素材ごとに試作をしてプログラムを調整する必要があるため、一旦データを作れば終わり、というわけではありません。
トリプル・オゥの心臓部
また、一度仕様が決まり、生産がスタートしたアイテムであっても、常にプログラムを見直しながら改良しています。
日々新しい経験を積んでいくなかで「ここを変えたら、もっとよくなるかもしれない」と思ったものは、取り入れていく。
まだ誰も見たことのないアクセサリーの形を模索する私たちに、ゴールはないのかもしれません。
試作の末、ここからデザインや素材選びに戻ることも。何度も試作しながら、それぞれの素材やデザインに一番合ったプログラムを作り上げる。
実際に刺繍をし始める前の大切な工程、プログラム作成はトリプル・オゥの心臓部なのです。
ミシン
「立体の刺繍」の秘密
プログラムが完成し、生産体制に入ったアクセサリーを刺繍するミシン工程。「多頭機」と呼ばれる1台に10の刺繍機がついた大きなミシンは、ひとつのプログラムで同時に10個同じものが刺繍できます。
ここで、糸のアクセサリーを形作る「立体の刺繍」の秘密をご紹介。
私たちはアクセサリーを作るとき、「水溶性の不織布」という特殊な布に刺繍しています。水溶性の名のとおり、水に溶ける布です。刺繍し終えたものをお湯で溶かすことにより、最終的に刺繍の奥まで“正真正銘、糸のみ”の立体アクセサリーができあがります。
「土台がなくなる刺繍」なんて、聞いただけで不安定な響き。土台となる布が溶けてもほどけずに形を留めておけるかまでを考慮して、プログラムを作っているのです。
素材と日々向き合って作る
この水溶性の布、水に溶けるくらいなので、とにかく水分に弱い。天気によっては空気中の湿気にまで影響されてしまうんです。
雨の日や梅雨の時期などは、何度も張り直さなければうまくいかない。ミシン担当は、この布を扱う難しさと日々向き合っています。
布だけでなく、糸の素材や太さによってもその都度ミシンの調整が必要です。天候や素材、作る商品の種類、ミシンそれぞれの個性まで。
一言で「ミシン」と言っても、考えることが本当にたくさんある工程です。
洗い
洗い方の「レシピ」
刺繍が完成したら、ついに水溶性の不織布を溶かす「洗い」の工程へ。
実は、ひとつひとつ、スタッフが手洗いしています。溶けた不織布の糊っぽさが残らないように、素手で確認しながら、しっかりと。
その洗い方や、お湯の温度、浸け置く時間などは、商品によってさまざまです。
例えば、からまりやすい商品は事前に束ねてから洗うなど、これまでの経験から培ってきた「レシピ」と呼ばれる社外秘のルールに基づいて、それぞれに適切な洗い方で丁寧に仕上げていきます。
手間をかけることで、綺麗に仕上がる
ここは「刺繍の土台がなくなる」という、刺繍にとっては少し緊張する場面。ひと手間ふた手間をかけて、きれいに仕上がるように注意しながら洗います。
こんなふうに洗っているのを見ていただければわかるとおり、トリプル・オゥのアクセサリーは水に濡れても大丈夫。
汚れや汗が気になったら、いつでもご自宅で手洗いしていただけます。洗い方は、商品に同封した説明書を見てみてくださいね。
脱水・乾燥
しっかり乾燥させる
洗ったあとは、脱水と乾燥。なんだか「糸らしい」工程です。
ここでよく乾燥させないと、カビの原因にもなるのでしっかりと。
天井からぶら下げて干すこともありますが、多くの場合は「バキューム」と呼ばれるテーブルの上に置いておきます。
このバキューム、空いた穴から掃除機のように空気を吸ってくれるテーブルで、本来は布をアイロンがけする際にシワなくピタッとさせるためのものです。
そこにアクセサリーを置くことで通常よりも早く乾くことに気付き、今ではアクセサリーの乾燥に活躍しています。
仕上げ
最後の仕上げがアクセサリーの繊細さにつながる
最後は、仕上げ作業です。検品も兼ねて、ひとつずつ丁寧に。職人たちが手作業で確認していきます。
通常の刺繍には裏表があり、縫い終わりの糸は裏に出しますが、アクセサリーには裏がありません。
ミシンの刺繍では必ず残ってしまう5mm程度の縫い終わりを、手作業で縫い込むことで、どこで糸が終わっているかもわからない、どこから見ても美しいアクセサリーになります。
また、何らかの要因で糸がはみ出していれば針で玉の中に入れ込み、形が崩れてしまっていたら整える。細かい作業ですが、この最後の仕上げがトリプル・オゥのアクセサリーの繊細さにつながっています。
機械と手作業の組み合わせ
手作業では難しい精度の高さは機械で。機械にできない細やかな処理は手作業で。
機械と手作業、そのどちらが欠けても、トリプル・オゥのアクセサリーは完成しないのです。
それはどちらも、私たちが培ってきた、胸を張って誇れる技術。
技術と想いを詰め込んだアクセサリーは、このあとしっかり梱包されて、お客様のもとへ届きます。
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